屋外広告士試験合格に向けて㉑ 設計・施工 風圧力と速度圧

今回は問6か7のあたりに出てくる看板にかかる風圧力の問題について解説します。計算式を見るだけで問題を解く気持ちが萎えてしまう方には、一見難しそうな分野に見えますが、実はほぼ暗記問題です。直近4年連続で出題されているので何とか頑張りましょう。一方、出題範囲が広く、覚えなければならない用語や係数が多いため難易度高めなのですが、ある一つの知識で一気に簡単になることが多いのも特徴です。それは、「速度圧や風圧力は、風速の二乗に比例する」という知識です。二倍ではなく、二乗です。

問6(令和4年度)屋外広告物の構造設計をする際に考慮する風圧力に関する記述として、適切でないものはどれか。

1.速度圧には、風速や地表面粗度区分の影響のほか、ガスト影響係数も考慮されている。

2.風圧力は、速度圧に見付面積を乗じて求める。

3.風圧力の算定に用いる風力係数Cfは、壁面広告物ではCf=1.0とする。

4.速度圧は、風速の二乗に比例する。

正解は2です。風圧力は、速度圧に風力係数(Cf)を乗じたものです。見付面積を乗ずるとその看板にかかる風圧そのものになってしまいます。ちなみに、風力係数というのは、看板の種類によって変わる係数で、屋上広告物、突出広告物、自立広告物が1.2で、壁面広告物は風の影響が小さいので1.0と小さくなります。ですから、3は正しいです。

4の設問は、毎年必ず入ってきます。今回は正しいですが、誤った設問では、速度圧は風速の二倍に比例するというのが出ることが多いです。二倍ではなく二乗と覚えておけば、正解が自動的に出たりします。

1については地表面粗度区分の影響とガスト影響係数が出ましたが、これらは用語をきちんと理解する必要があります。地表面粗度区分は土地の平滑さの係数で、平たい土地よりもビルや樹木など凹凸のある土地の方が風速が落ちて風圧力も下がることを式に算入してより実際に近づけるための係数です。また、ガスト影響係数は、瞬間最大風速を平均風速で割ったもので、例えばスカイツリーのような高層建築物があると、その周りだけ瞬間最大風速が跳ね上がり、ガスト影響係数は大きくなります。

屋外広告の知識第四次改訂版の66,67,74,75ページに式や用語説明があるので熟読しましょう。それ以外のページはある程度読み飛ばして、用語解説はGoogleで検索した方がわかりやすいかもしれません(作者の方申し訳ないです!)。