今年は10月20日に屋外広告士試験が行われ、例年を少し下回る871名が受験しました。問題と正解は日広連のHPにすでに掲載されていますが、過去問解説本の出版は、まだかなり先になります。そこで、今回は実技試験の速報解説を行います。
実技試験は、学科試験に比較して毎年難易度が大きく変動し、設計・施工で受けるか、広告デザインで受けるか、多くの受験生が迷うところです。
まず、今回の設計・施工の実技試験ですが、特にサプライズはありませんでした。課題は、過去最も出題の多い、一本柱の中央上部に看板が一台設置されている自立看板でした。つまり、多くの受験生が準備していた問題が出たということです。一点注意するところがあるとすれば、看板面積が比較的大きいため、断面2次半径から最小パイプ部材を選ぶと許容値(σ/f)を超えてしまうので、もう一ランク太いパイプを選ぶ必要があるところでしょう。ここさえ間違えなければ、合格点60点は超えると思います。また、柱は定番の角パイプではなく丸パイプでしたが、計算方法は同じです。昨年出題されたブラケットが壁面の側面に付いている袖看板から比べれば、かなり解きやすかったでしょう。
一方、広告デザインの方は、今まで出題されたことのない人型折りたたみ式スタンド看板でした。課題は、水辺のある都市公園内でオーガニックフードを提供するカフェの入口に置く看板です。通常問題に添付されている参考書体や付近の見取り図・参考画像はなく、スタンド看板の立面図だけが掲載されています。また、条件や評価の要点の項目数も例年より少ないです。つまり、デザインにかなり自由度があると解釈できます。参考書体や設置場所の画像などがあり、デザインの方向性が決まっている方がやりやすい人には難しかったかもしれません。それに対して、自由に描きたい人には、むしろ易しいと感じたことでしょう。