屋外広告士合格に向けて⑧ 設計・施工 1問目

⑧設計施工問1ベクトル

前回は、設計・施工の全体的な出題傾向について話をしました。その中で、最初と最後の各2問(合計4問)は、ほぼ計算問題が出ることを述べました。さて、それら計算問題を全て捨ててしまうと、中央11問の暗記問題のうち9問を正解しないと合格ラインに到達せず、かなり苦しくなってしまいます。

一方、1問目は比較的簡単なケースが多いので、捨ててしまうのはもったいないのです。過去14年の傾向でみると、1問目は3つに大別され、ベクトル(合力)6問、棒に働く引張力4問、梁・てこの原理4問となっています。ベクトルは8年程出ていなくて、昨年久しぶりに復活しています。ただし、一度出始めると平成21年から25年度まで5年連続で出題されていることもあり、今年も出題される可能性は高く、しっかり解けるようにしておきましょう。ちなみに、昨年は2問目に梁・てこがシフトして入り、2問目定番だった3角トラスが消えています。

問1(令和4年度) AからEまでの5つの力のx方向とy方向の合力の大きさを求めよ。ただし1マスは1m角とする。令和5年度版問題集の90ページ問46参照。

正解は、x方向3kN、y方向14kNとなります。もしかして、√2が図に書いてあるだけで拒絶反応を起こしていないでしょうか。実は、この問題は足し算と引き算だけで解けます。まずx方向、つまり水平方向。マス目の数を横方向に数えるだけです(右方向を正とします)。Aは0,Bは2,Cは0,Dは4,Eが-3なので、合計すると3kN。次にy方向、つまり垂直方向。縦方向にマス目を数えるだけです(上方向を正とします)。Aは-3,Bは0,Cは-4、Dは-4,Eは-3なので、合計すると-14kN。ここで合力の方向は問われていないので、マイナスとか関係なく力の合計を答えることになり、正解はx方向3kN、y方向14kNとなります。ちなみに、√2は一切かかわりなく、1マス1m角も何の関係もありません。

次回は、暗記問題の中でも勉強する範囲が狭い溶接と高力ボルトについて解説します。