屋外広告士試験合格に向けて⑩ 実技対策

今回は実技(設計・施工、広告デザイン)について解説をします。

まずは、設計・施工の実技です。過去10年の傾向では、ポール看板が8回、袖看板が2回で、この2種類しかありません。ポール看板については1本柱・2本柱、面板が1面・2面、看板がポールの中央か横かなどのバリエーションがありますが、基本的には解き方は同じです。

ポール看板は、柱の寸法の配点が100点中30点のため、これを間違えるとほぼ落ちてしまいますが、逆にそれさえ計算できれば合格の可能性がぐっと高まります。柱の寸法選びに集中してください。

回答の流れは、①地震による力を求める。②風圧による水平力を求める。③地震と風圧で大きい方を選ぶ④柱の根元に作用する曲げモーメントを求める⑤必要断面二次半径を求める⑥表から最小部材を選ぶ⑦念のためM/fを求めて1以上であることを確認する。というお決まりのパターンがありますが、柱が長方形の場合はixとiyの大きい方を選んでから⑦を行うと良いです。

続いて袖看板です。ブラケット2個の縦長の袖看板しか出ません。看板の寸法がw1000xh4000程度、ブラケットがw200xh400程度です。各ブラケットにはアンカーボルトが4本で、合計8本のアンカーボルトで壁に固定されています。最大せん断力と最大引き抜き力の配点が100点中40点ですが、途中点がもらえるので、ポール看板よりリスクが分散されます。と言っても、この二つの力を求めることに全力を尽くしましょう。せん断力はアンカーボルト8本に均等にかかるので計算しやすいです。問題は引き抜き力です。風圧による引き抜き力は、風上側の4本にかかるのは理解しやすいと思いますが、自重による引き抜き力は、それぞれのブラケットの上2本にかかるのです。これがミソです。

あとは、コンクリート基礎の長手方向を風圧方向に配置して、ブレース(筋交い)多めにして丁寧に作図すればOKです。

次に、デザインの実技です。10年以上前は作画のうまさや美しさを問われる部分もあったのですが、現在はそれよりも内容が重要視されています。この5年の出題は、2018年こども食堂、2019年パラスポーツフェア、2020年農産物直売所、2022年コロナ予防対策、2023年環境フェスティバルと、時代背景を反映したテーマになっています。恐らく、今年もSDG’sを意識したテーマが出題されるような気がします。最も重要なことは時間配分です。B4下書き用紙に文字と図柄を配置していくのですが、30分以内に草案を作成します。そして、残りの1時間半で本番用B4ケント紙に描いていきます。次に大切なことは、問題文にある内容を全て網羅することです。当たり前のことですが、この記載が抜けていると大きな減点となります。また、余計な文字は入れない方が無難です。ちなみに、参考フォントは、添付される年とない年があります。