屋外広告士試験合格に向けて⑫  令和5年度の出題傾向の速報解説-実技にサプライズあり

10月22日に受験された方は、本当にお疲れさまでした。12月15日の合格発表まで少し時間がありますが、今年の問題を振り返りたい場合はすでに日広連のHPに問題と正解が出ていますので、ご参照ください。それでは、令和5年度試験の大まかな出題傾向を振り返ってみましょう。

まず、実技試験ですが、設計に関しては袖看板でした。この10年で3回目となり、ポール看板(柱1本5回・2本2回)の出題頻度に少しずつ迫ってきています。それ以前は一度も出題されていなかったので、今後は袖看板の出題を意識せざるを得ません。さらに今回特筆すべきは、ブラケットの位置です。今回は壁面の側面にブラケットがある全く新しいパターンでした。解き方は基本的に従来と同じなのですが、受験された方は驚いたと思います。

また、デザインの実技ですが、2年程コロナ・環境関連のテーマでしたので、その流れを汲み今年はSDG’sあたりの出題かと予想していましたが異なりました。今回はレトロ通りの秋祭りというバナー広告がテーマで、2014年に出題されたけやき通りの秋祭りというバナー広告のテーマと類似しています。ただ、そのときはバナー1枚のみデザイン作成で、今回は柱を挟んで2枚デザインを作成します。しかも、デザインがそのバナー2枚にまたがっても良いというものでした。

設計にしてもデザインにしても、実技については過去問を12年程度さかのぼって問題を解いておくと傾向がつかめて良いかもしれません。当社HPに掲載していますのでご参照ください。

令和5年度屋外広告士試験 実技

 続いて学科です。まず法規ですが、例年は屋外広告物法5問、ガイドライン4問、関連法規(景観法・建築基準法・道路法・労働安全衛生法・建設業法・行政代執行各1問)6問の分配になっていましたが、今年はガイドラインが5問になり1問増え、その分建設業法がなくなりました。

広告デザインに関しては、まだ詳細には分析していませんが20問とも比較的従来の問題に近く、サプライズはなかったように思います。

最後に、設計・施工の学科問題ですが、1・2問目の計算問題は新設問題となりました。1問目は三平方の定理と鉛直荷重の分配がわかれば解けますが、2問目は曲げモーメントの応用問題なので難易度が上がったように思います。一方、14・15問目の計算問題は従来問題でしたので比較的解きやすかったのではないでしょうか。3〜13問目の暗記問題については解析を進めて次回以降に解説します。