屋外広告士試験合格に向けて⑬広告デザインの学科問題のコツ(欧文書体)

このところ、日広連に所属している各組合では、官民合同で看板の点検作業を高所作業車を使用して実際に行ったり(千葉県他)、街歩きをして危険な看板や違法看板の実態を調査する取り組み(新潟県他)が活発化しています。今後、看板の点検作業の義務化も大きなテーマになってきています。そこで一段と重要度が高まっているのが屋外広告士の資格です。合格率が直近4年間で平均30.8%(合格者1214人/受験者3939人)と狭き門ですが、合格すれば更新の必要もなく、実に多くのメリットがあります。ほぼ全ての行政団体の条例に、屋外広告物点検技能者としてその名前が記載されています。

さて、今回は広告デザインの問題を一つ解いてみましょう。学科3科目中で、広告デザインは最も取り組みやすいと言われています。一方、問題数は20問と最も多く、試験時間は80分です。出題範囲が広いように見えるため、的を絞らず自分の持っている実力で乗り切ろうとすると失敗します。

こちらは令和4年度の問13で、欧文書体の組み合わせです。直近令和5年度も含めて、過去5年で3回出題されています。正解は4。書体の分類を答える問題が多いのですが、こちらは分類ではなく書体名そのものを当てるもので難易度がやや高くなっています。いかがですか。ヘルベチカ以外、全然知らないって少し動揺しませんか。ご安心下さい。実は、屋外広告の知識デザイン編第四次改訂版の105・106ページを学習するだけで解けます。たった2ページで。

欧文書体の分類は6種類でその代表的な書体名をカッコ書きすると、①オールド・ローマン体(ギャラモン)、②モダン・ローマン体(ディドー)、③サン・セリフ体(フルティガー)、④エジブシャン体/スラブ・セリフ体(クラレンドン)、⑤スクリプト体(スネル・ラウンドハンド)、ブラック・レター体(フェッテ・フラクトゥール)です。これを書体の形状と共に丸暗記で終了です。もっと中身を学習したい方は、書体の歴史を学んだり、セリフとは何か等形状を深く学ぶことをお勧めします。それが本当の学習ですし、喜びも大きいです。

屋外広告士過去問 

屋外広告士過去問

ちなみに、アッセンダー・ディッセンダー・エックスハイト等の欧文書体のプロポーションについては過去5年で2回出題されていますが、こちらは104・105ページを学習すれば正解できます。つまり、屋外広告の知識の適切な部分を集中的に学習するのが最も効率が良いことがわかります。