この号が発行される頃には、試験も終わって皆さんもほっとしていることでしょう。合格発表は例年12月中旬ですので、それまで少し時間があります。そこで、今回は屋外広告業に役立つ資格について、お話をします。
皆さんが受験された屋外広告士は、この業界では最難関の資格と言っても過言ではなく、ご存知の通り合格率は20〜30%と狭き門です。この資格を取っておけば、屋外広告業を登録する際に必要な業務主任者にもなり、点検業務を行うこともできます。また、一度取得すると更新講習もなく生涯使えます。
一方、屋外広告物点検技能講習に試験はなく、講習を受けるだけで点検業務を行うことができる比較的ハードルの低い資格と言えます。関東地区では、年に2回程度開催されます。ただし、受験資格の中に屋外広告物工事を10件以上行っていること、あるいは経験年数5年以上、保有している資格等を記載する項目があり、申し込み用紙にそれらを記入するのが少し面倒です。5年ごとに更新講習を受ける必要もあります。
続いて技能検定(技能士)。こちらはその業界における技能習得レベルを評価する国家資格で、大工や塗装、ファイナンシャル・プランニング等131職種の試験があります。我々の業界に関係するものでは広告美術仕上げ技能士と呼ばれ、粘着シート仕上げ(1・2・3級)とペイント仕上げ(1・2級)の2種類があります。試験は1年に1回開催され、学科と実技があります。粘着シート仕上げ実技は、アルミ複合板に粘着シートを下地として貼り、その上に手切りの文字やイラストを指定の位置に貼ったり抜いたりしていく工程を評価されます。また、ペイント仕上げは与えられた数種類の塗料を使って、予め指定された規定デザインに独自のアレンジを加えて時間内に手書きで作品を描いていく試験です。一級技能士を取得すると、その業界の技能日本一を目指して技能グランプリに出場する方もいます。
ここまで書いてきて、ではより広い意味で最も役に立つ資格は一体何だろうと思いを巡らせてみたら、やはり第二種電気工事士に落ち着きました。まず、社会的認知度が圧倒的に高く、何よりも受験者が年2回の試験で12万人と非常に多い。つまり、役立つから人気がある。そして、看板施工時に直接役に立ち、他業種に移っても使えるし、資格手当にもなりやすい。さらに言えば、試験自身が学科も実技も結構楽しい。やはり、これですかね