屋外広告士試験の合格に向けて① 試験概要

屋外広告士試験合格に向けて①

サイン業界で、恐らく最も難易度が高い試験といえる資格「屋外広告士」。昨年令和3年度の受験者1053人に対して合格者は233人で合格率は22.1%でした。ほぼ5人に1人しか受からないのは、かなり厳しいですね。

とは言うものの、最短で確実に合格する方法はきっとあるはず。ということで、屋外広告士合格に向けてシリーズで投稿していこうと思います。

〇屋外広告士って何?

屋外広告物の製作・施工について、専門的かつ総合的な知識や技術水準を持っているかを認定する資格です。国家試験ではありませんが、国土交通省が登録試験機関として認定している日広連が実施しています。屋外広告物条例ガイドラインでも、屋外広告士の名称は頻繁に登場しますね。大きく分けて役割は2つあります。一つは、屋外広告物を設置する際に法律に遵守しているか、安全性は大丈夫か等を判断する仕事です。もう一つは、設置した屋外広告物を維持・管理する仕事です。

〇屋外広告士の資格を取るメリットは何?

まず、自動的に業務主任者になれます。会社が屋外広告業の登録をする際に業務主任者が必要なのですが、講習会を受ける必要がなくなります。次に、点検技能講習を受けなくても、屋外広告物の点検をすることができます。さらに、屋外広告物許可申請・継続申請の際の自己点検報告書作成や、申請そのものを行うことができます(厳密に言うと行政書士が行うのですが通例として可能と判断)。そして何よりも、屋外広告物に関する高度な知識と技術を持っている証明となることがとても重要だと思います。

〇試験の内容は?

開催は年に一回、10月に行われます。受験資格は21歳以上で、実務経験が3年以上の方です。申し込み方法は願書郵送かネットでの申し込みで、5月初旬から7月末程度の間に提出します。費用は、17824円です。詳細は、日広連のHPを参照ください。

試験は、まず学科が3科目あります。

学科A 関係法規   15問 60分

学科B 広告デザイン 20問 80分

学科C 設計・施工  15問 60分

次に、実技試験は設計かデザインのうち、どちらか1問で120分です。

総合計60%以上正解で合格となりますが、学科試験は3科目の平均が60%を越えていても、一科目でも40%以下の場合は不合格になることがあります。また、合格している科目は1年だけ持ち越すことができます。特定の資格を取得している人は一部免除制度があり、たとえば1・2級建築士は学科Cと実技が免除となります。

次回は、クリアするのが最も難しいと言われる関係法規について解説していきます。