屋外広告士試験に向けて㉒設計・施工 鉄骨さび止め塗装

屋外広告士試験に向けて㉒設計・施工 鉄骨さび止め塗装

鉄骨工事や鉄筋コンクリート工事は、看板工事に直接関係はないのですが、屋外広告士試験では必ず1問か2問出題されます。
 看板の取り付け方法を考える上で、建物の構造や材質を知っておくことは安全上非常に重要だからです。
問10(令和3年度)鉄骨さび止め塗装に関する記述として、適切でないものはどれか。
1.塗装場所の気温が5℃以下または相対湿度が85%以上のときは、作業を中止する。
2.素地調整を行った鉄面は、活性となり錆びやすいため、直ちに塗装を行う。
3.炎天下で鋼材表面の温度が40℃の場合、塗膜に泡を生ずる恐れがあるので、作業を中止しなければならない。
4.コンクリートに埋め込まれる部分は、塗装してはならない。
正解は3です。
炎天下で鋼材表面の温度が40℃でなく50℃の場合、作業を中止しなければなりません。これは、建築士の試験にときどき出題される設問で、看板屋としてはなかなか難しい問題です。1の設問も同じです。
一方、2と4は看板屋として多少心得ておく必要があります。
2の素地調整というのは、まだ塗装されていない鉄の表面の軽い錆や汚れを除去する作業(4種ケレン)で、予め鉄材の表面に塗ってある油なども除去するためすぐに塗装をする必要があります。また、下地調整と言って、すでに塗装されている鉄の表面の錆や汚れを除去する作業(3種ケレン)の場合も、表面粗さが増加し空気に触れる面積が増加するのですぐに塗装をすることが必要です。
また、4のコンクリートに埋め込まれる鉄骨(鉄筋コンクリート等)については、アルカリ性のコンクリートが鉄の酸化を防ぐため、塗装してはいけません。ちなみに、コンクリートと鉄筋の線膨張係数(熱で膨張・収縮する率)はほぼ同じで、気温の増減で二つの素材が剥離しないため、それが鉄筋コンクリートは最強の素材と言われる理由のひとつとなっています。